困った人とはどういうひとなのか?

その人の何に対して非難を行っていくのか。それこそtwitterのスレッドのケースやアンケート調査をおこなっても良いでしょうが、まずは、既存の本からみていき、どのようなときに、困った人と思ったりするのか。

この点について、小此木啓吾氏の「困った人間関係」の精神分析から観ていきたいと思います。

「困った人間関係」の精神分析 (新潮文庫)

「困った人間関係」の精神分析 (新潮文庫)

これが全部を網羅しているわけではないでしょうし、それ以前に特定のケースに偏っていることから、これが解決策になるとはおもいません。それこそ仏教で言う84000の煩悩や、それを集約した前回のブログ記事の6つの破壊的性格の方がよほど網羅的になっているでしょう。

ただ、実際の人間社会に起きている困った人の例を投影させることによって、表現していくことができるのではと考え、あえてこの本をピックアップしました。

内容についてみると、批判している側も、もう一方の批判されている側にも当てはまることでもあると思います。とはいえ、個人的には、認識はする必要はあるけれども、だからといって過度に抑制していく必要性はないということを強く言っておきたいと思います。
困った人のタイトルを観るだけであるあると感じることは多いのではないでしょうか。

第1章 評判のいい困った人たち

親切すぎて煩わしい人 −相手との一体感を求める口愛性格
人のことばかり気にする人 −いつもニコニコ従順な受け身的性格
けちで頑固な人 −出すのは嫌い、ためておきたい肛門性格
誘惑的な人 −愛されたいのに愛がこわいヒステリー性格
傲慢で気取り屋の人 −自意識過剰で貴族的
正義を振りかざすこわい人 −攻撃的な男根性格

第2章 愛と憎しみの困った人たち −相手を傷つけ、自分も傷つく−
恋に狂う人−相手を困らせ、周囲を心配させる−
ねたみ深い人・やきもちやきの人−羨望と嫉妬はどうちがうのか−

第3章 組み合わせがつくる困った人たち −困った人はあなたがつくる?
意地悪な人・平気で人を傷つける人 −いじめ・いじめられる関係に
グズな人とせっかちな人 −漫才のボケとつっこみの関係
だらしない人 −いつも世話をしてくれる人が必要

第4章 自分の中の困った人たち −心が傷つき、痛み、自分らしくない自分に悩む
すぐ憂鬱になる人 −いつも人と一体感を抱いていたい
劣等感に悩む人 −親からの心の傷を受けている
いつも心配で不安な人 −体を気にし、くよくよ悩む
本当の自分らしくないと感じている人 −誰もが自分らしくいきたいと思っている

(第5章は省略)

小此木啓吾氏の「困った人間関係」の精神分析より


はい。自分も困った人に当てはまりそうなのをいろいろ感じています。どうでしょうか。
困ったことというものは一方でしっかり使えば、よい使い方にも成ります。
それは前回の執着であったりと同様です。

著書にも出ていますし、自分の分野から観てもそうなのですが、性格や能力などを出し過ぎることによって困ってしまうということが発生していることが多いです。良い人だねといわれても状況によって良くない人になる。実際には本書を読んでいただければと思いますが、例えば親切すぎることが干渉してくることにつながっていく。余計に干渉されていやだと言うこともたくさんあるでしょう。その人の特性が逆に悪化につなげると言うことはしばしばです。